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小児の泌尿器科疾患

  1. 夜尿症(おねしょ)
  2. 停留精巣(タマが陰嚢の中にない!?)
  3. 急性陰嚢症(急に陰嚢やタマを痛がるようになった、腫れている)
  4. 亀頭包皮炎(おちんちんの先の皮が腫れている、膿んでいる)
  5. 嵌頓(カントン)包茎)(剥けたおちんちんの皮が戻らないで腫れている)

1.夜尿症(おねしょ)

夜寝ている間の尿もれは、5歳未満の子どもではおねしょといいます。5歳以降で月1回以上のおねしょが3か月以上続く場合は「夜尿症(やにょうしょう)」と診断され、治療が必要な場合があります。

(1)夜尿症の原因は何ですか?

  • 寝ている間に作られるおしっこの量が多すぎる
  • 膀胱におしっこを十分にためられない
  • 膀胱がおしっこであふれそうになっても起きられない

これらの原因で寝ている間に尿もれをしてしまいます

(2)夜尿症の子供はどれぐらいいますか?

  • 日本の小中学生を含む5~15歳の約80万人(推定)に夜尿症があると考えられています。

(3)夜尿症は治りますか?

  • 一般的に夜尿症は成長とともに自然に治癒しますが、1週間で夜尿が3回以上ある場合は、3回未満と比べて自然に治りにくいといわれています。また、早めに治療をしたほうが、治癒率が高いという報告もあります。

(4)夜尿症と診断された場合、どんな治療をするのですか?

  • おねしょ記録を参考にまず生活改善に取り組みます。
  • それでも改善しない場合は薬物療法などを検討します。

(5)保護者のみなさまへ

おねしょは子どもの性格や親のしつけとは関係ありません。
あせらず、怒らず、ほかの子どもと決して比べず、辛抱強く治療していきましょう。

2.停留精巣(タマが陰嚢の中にない!?)

停留精巣とは、精巣が出生時に正常な位置(陰嚢内)に下降していない状態のことをいいます。新生児の約2~5%の男児に片側または両側の停留精巣を認めるとされています。精巣は、胎児期に腹部で形成され、出生2ヶ月前ごろより次第に陰嚢へ下りてきます。停留精巣は、精巣が陰嚢に下りる途中で停止したか、または降りる途中であることが考えられます。37週以前に生まれた早期出生児では停留精巣が多いことが分かっています。

停留精巣の多くは、出生後の数カ月で自然に精巣が陰嚢内に下りて正常になります。しかし、一定期間を過ぎても停留精巣の状態が続く場合は、手術で精巣を陰嚢内に固定する必要があります。

3. 急性陰嚢症(急に陰嚢やタマを痛がるようになった、腫れている)

① 精巣捻転

精巣につながる精索(せいさく)がねじれてしまい、精巣への血流が途絶することで起こります。思春期前後の青少年に発症することが多く、寝ている時に発症することが多いのも特徴です。激しい陰嚢部痛で始まり、次第に陰嚢内容が腫れてきます。陰嚢皮膚の色が黒ずんでくることもあります。吐き気や嘔吐、腹痛を伴うこともあります。発症後6時間以内に治療するのが原則です。長時間血流がないと精巣は壊死(えし)してしまいますので、発症後早期の診断、治療が必要です。診断は超音波検査で精巣への血流が低下していることを確認します。診断後はすみやかに手術可能な病院へご紹介いたします。

② 精巣上体炎

精巣の横にある精巣上体に炎症が起こり腫れる病気です。痛みと発熱を伴います。治療は抗菌薬の投与を感染が完全に治るまで行う必要があります。①の精巣捻転との区別が非常に重要となりますので、気になる場合はやはり受診をご検討ください。

4. 亀頭包皮炎(おちんちんの先の皮が腫れている、膿んでいる)

男性の亀頭や陰茎先端の包皮に細菌やカビが感染して炎症を起こす病気です。亀頭や陰茎先端の包皮に、赤み・びらん・亀裂・かゆみ・皮むけ・痛み・膿などの症状が出ます。細菌感染の場合は比較的炎症が強く、赤みが強い傾向にあります。ひどい場合、包皮がむくみ腫れ上がってしまうこともあります。カビが原因の場合、赤みや皮むけがあります。白色や黄色のカスが溜まり、魚が腐ったような嫌な臭いがすることもあります。症状に応じて、外用薬や内服薬の処方を行い治療します。

5. 嵌頓(カントン)包茎(剥けたおちんちんの皮が戻らないで腫れている)

剥いた包皮が陰茎を締め付けてしまい、包皮を元通りに戻せない状態です。陰茎の循環不全を起こすと痛みや腫れが起こり危険です。戻せない場合は緊急処置が必要ですので、できるだけ早く受診してください。

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