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尿道の病気

  1. 尿道炎
  2. 尿道狭窄
  3. 尿道結石

1.尿道炎

尿道への細菌感染や尿道の粘膜に傷がついたことが原因で起こります。おしっこの出始めに痛む場合は、クラミジア性尿道炎、淋菌性尿道炎などの性感染症が原因であることがあるので注意が必要です。

(淋菌感染症)

【症状】

男性では、黄色や白色の膿が尿道から出て、排尿時に焼けつくような痛みやかゆみ、不快感、尿の出口が赤く腫れる、頻尿などの症状が出ます。治療が遅れて精巣上体に感染すると精巣上体炎を起こすことがあり、発熱、陰囊腫大が起こり、激しい痛みを伴う場合は入院が必要になります。

女性ではほとんど無症状ですが、おりものの量が増えたり、黄緑色のおりものが出たりする場合があります。また、外陰部のかゆみや不正出血、頻尿・排尿時痛などの症状が出る場合もあります。

【検査】

男性では尿や尿道分泌物、女性では子宮頚管擦過検体のPCR検査を行います。約20-30%にクラミジアが重複感染しているので、クラミジアの検査も同時に行います。

【治療】

現在、内服薬で淋菌感染に高い治療効果が期待できる薬剤はありませんので、点滴治療が必要です。

(性器クラミジア感染症)

【症状】

男性では膿が透明で、無症状か痛みがあっても軽度か違和感程度のことが多いです。その他、ペニスのかゆみ、不快感などの症状が出る場合もあります。
女性ではほとんど無症状ですが、おりものが少し増えた、外陰部がかゆい、頻尿、排尿時痛などの症状がでることがあります。

【検査】

男性では尿や尿道分泌物、女性では子宮頚管擦過検体のPCR検査を行います。

【治療】

アジスロマイシンやシタフロキサシンなどの内服抗生剤で加療を行います。必ず2~3週間後にもう一度クラミジア検査を行い、治癒したかを確認する必要があります。

(その他:マイコプラズマ、ウレアプラズマ感染症)

男子尿道炎の原因として増加しており、淋菌もクラミジアも検出されない尿道炎患者さんはマイコプラズマもしくはウレアプラズマ感染症の可能性があります。

尿道炎は放置すると尿道狭窄となることが多く、おしっこを出すのに支障をきたすようになるため、早めの受診をお勧めします。

2.尿道狭窄

文字通り尿道が狭くなることです。尿道カテーテル留置後や経尿道的手術(尿道に内視鏡を挿入する手術)後に発症することがあります。その他、以前に淋菌やクラミジアによる尿道炎にかかったことがある方や、前立腺癌の放射線治療後の患者さんに起こることもあります。

【症状】

軽度の狭窄では症状はありませんが、狭窄の程度が高度だと尿の勢いが低下します。ひどくなると、ポタポタとしか尿が出なくなったり、尿が全く出なくなったりします。

【検査】

尿道鏡検査:尿道先端から内視鏡を挿入して尿道内の観察を行ないます。直接狭い部位を観察できますが、狭窄の影響で内視鏡が通らない場合、すべての尿道部位の観察はできません。

【治療】

薬剤での治療は困難であり、以下の治療を検討します。

①尿道拡張法(ブジー)

ブジーという特殊な形状の金属を尿道に挿入して狭窄部位を拡げる方法です。細いものから挿入し、少しずつ太くしていき狭いところを少しずつ拡げていきます。外来で可能な処置です。1回行ってもすぐに狭くなるため、定期間隔で複数回の処置が必要です。はじめは1週間に1回程度行い、少しずつ処置を行う間隔を延ばしていきます。

②内視尿道切開術

内視鏡的で尿道狭窄部を切開して広げる手術です。手術室で麻酔をかけて行う必要があり、入院が必要になります。この治療が必要な場合は施術可能な病院へご紹介させていただきます。根治を目指す治療ですが、再発が多いのが問題です。再発を繰り返す場合は、尿道形成術を検討する場合があります。手術で尿道を拡張しても、拡張した部分は傷になり、その傷が治る過程で再び尿道が狭くなることがあります。そのため、手術後は定期的に①を継続することが多いです。

③尿道形成術

会陰部(陰嚢と肛門の間の皮膚)を切開して尿道に到達し、狭窄部分を切除して尿道をつなぎなおす手術です。狭窄部位が長い場合はつなげない場合があります。

④自己導尿

尿道狭窄は再発が多く、①~③の治療を行っても根治できないことがあります。その場合は自己導尿を施行していただくこともあります。これは、常にカテーテルを自分で挿入することで、狭窄の再発がおこらないようにするのが目的です。

3.尿道結石

膀胱結石が排出される場合に尿道につまることがあります。そうすると、尿の出が急に悪くなり、膀胱に尿がたまって下腹部痛とともに、全く出なくなることがあります(尿閉)。排尿時痛、血尿などの症状が起こることもあります。症状改善のため、積極的に治療(除去術)を行う必要があります。

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