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骨盤臓器脱

骨盤臓器脱とは、骨盤内臓器(子宮、膀胱、直腸など)を支えている靭帯、筋膜、筋肉などの支持組織が弱くなって骨盤内臓器が膣内外に垂れ下がってくる女性特有の疾患です。これまでは下垂・脱出してくる臓器によって子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤などと呼ばれていましたが、近年では骨盤臓器脱と総称されるようになっています。
欧米では経膣分娩を経験した女性の約3割に骨盤臓器脱がみられたと報告されています。また、米国女性の11.1%が80歳までに骨盤臓器脱か尿失禁に対して手術を受けると報告されています。

症状

何かが降りてきたような違和感、腰痛、重い感じ、陰部にピンポン玉の様なものを触れる、歩行や排便時など腹圧がかかった時の下垂感、不快感、排尿困難、排便困難などの症状があります。立っていると頻尿になり、トイレに行く前に漏らしてしまうこともあります。通常寝ている時は臓器脱が引っ込んでいるため、夜間や起床後~午前中は比較的症状が軽いですが、長時間の立位や歩行後、あるいは午後になると症状が強くなります。

診察

  • 検尿:尿の成分や尿路感染症の有無を調べます。
  • 内診:看護師さん立ち合いのもとでいきんでもらい、尿道の動きや尿漏れの具合の確認、どの部位が下がっているかの確認を行います。
  • 超音波検査:膀胱の下垂で尿管が引っ張られて尿の通りが悪くなり水腎症を来すことがあるため、腎臓に異常がないか確認します。また、排尿障害を起こすこともあるため、残尿測定を行うこともあります。
  • MRI検査:脱出している臓器の種類や程度を評価できます。必要時は撮影を検討します。

治療

症状が軽い場合は、骨盤底筋訓練で尿道のまわりにある外尿道括約筋や骨盤底筋群を強くすることで、改善が期待できます。しかし、中等度以上の症状の場合は手術治療が必要な場合が多いですので、長崎大学病院にご紹介させていただきます。

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